家族信託と遺言信託の違いとは?
遺言信託とは何?
信託銀行が提供している「遺言信託」は、信託法上の「信託」とは関係ありません。では、一体何なのかと言うと、信託銀行が遺言書を作るサポートを行い、その後遺言書を保管して、遺言の効力が発生したら遺言を執行をするという一連のサービスを総称して「遺言信託」と呼ぶのです。
遺言信託は信託銀行の手厚いサポートを受けて遺言を作成、保管、執行を行ってもらえますので、大変便利な制度です。ただし、原則として公正証書遺言のみ作成、保管を受け付けているため、ご自身が書かれた自筆証書遺言など公正証書遺言以外の形式の遺言は遺言信託することはできないようです。
結局のところ遺言信託は民法上の遺言ですから、当然遺言者が亡くなった以降に効力が発生することになります。つまり、生前のことは遺言信託ではカバーできません。
家族信託とは何か?
一方、家族信託は契約をしたときから効力を発生させられますので生前に、仮に本人が認知症になって判断能力が無くなった場合でも生前の財産管理や資産運用を行うことができます。
効果を本人の生前に生じさせたいのか(家族信託)、それとも死後に生じさせたいのか(遺言信託)、制度をしっかり理解して利用をしましょう。
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今回の記事で解説した遺言信託と家族信託の違いと同じように、家族信託と商事信託の違いについてもよく質問を受けますので、商事信託についても解説しました。今回の記事と合わせてお読み頂けると理解が深まると思います。
セミナー後に多い質問は「家族信託って活用できそうなことは分かったんだけど、実際にいくらくらいかかるの?」です。今回は、気になる家族信託にかかる費用について解説しました。
「家族信託が節税になるの?」というご質問もよく頂きますので解説しました。節税を考えられている方も多いと思いますので、家族信託組成前に知っておいて頂けると幸いです。