家族信託のデメリットとは?
みなさんこんにちは、もうそろそろお盆休みですね。
ただ、来週は台風が来るようですし、少し心配です。
さて、家族信託が世間に浸透してきているようですが、デメリットはないのでしょうか?
もちろん、どんな制度でも良いことばかりではありません。。成年後見制度と比べて家族信託はメリットがクローズアップされがちですが、デメリットはないのでしょうか。
今回は、触れられることが少ない家族信託のデメリットについて記事を書きます。
家族信託の4つのデメリット
1.家族信託では節税対策にならない
家族信託は相続対策になりますが、それはあくまで「財産承継についての対策」であり、「相続税の対策」として利用することはできません。相続対策という言葉を聞くと、税金の対策をついつい意識していましがちですが、家族信託は節税のためのスキームではありません。
2.個人で家族信託を組成するのはリスクが高い
家族信託を個人で組成することは、リスクがあります。なぜなら、その問題が表面化するのは本人の判断能力が失われたあとのケースが多いからです。かといって、弁護士や司法書士などの専門家にも精通している方と、そうでない方がいらっしゃいますので、専門家へ依頼する際にも注意が必要です。
3.財産を包括的に信託できるわけではないので、財産に漏れがある場合はその対策も必要
家族信託を組成する際には、信託契約書を作成しますが、そこには「全ての財産を信託財産とする」という記載は出来ず、個別に財産を特定して記載しなければなりません。もし、記載されていない財産があれば、その財産は信託の対象になりません。なので、信託されていない財産は、普通の相続で処理することになるので、注意が必要ですね。このような場合に備えて、遺言書を併用して対応する必要があります。
4.家族信託を利用しても資産の損益通算ができない
家族信託を利用した受託者(財産を預かった人)は、委託者(財産を預ける人)の財産を信託財産として管理することになります。この信託財産で仮に赤字が出たとしても、委託者の他の所得や収益と通算をして課税対象額を減らすことはできません。これを損益通算の禁止と言います。信託しようとしている財産のキャッシュフローがどのようになっているのかを確認しておかなければなりません。
以下、関連記事です。
相談者の方より、「家族(民事)信託の契約を父親(76歳)と結びたいと考えているのですが、他の兄妹に対して事前に承諾が必要なのでしょうか?」と言う質問です。確かに、家族信託を兄妹に内緒で進めたいというご意向をお持ちの方は多いですね。今回は、そのようなご質問に対する回答を記載しました。
ご主人に万が一が起こった時、ご主人様名義の自宅は、その自宅に住む妻と息子のどちらに相続した方がいいのでしょうか?この際のメリット、デメリットを家系図を交えて分かりやすく解説しました。
どのような場合に、家族信託を活用した方がいいのでしょうか?ご自身のご家庭で対策が必要な項目に合致するかどうか判断されたい方はこちらの記事でご確認ください。短い時間で、必要性があるかどうかご理解頂けると思います。