わかった!資産承継をオーダーメイドで実現する家族信託

家族信託を中心としての相続対策支援について誰でも分かるように解説します

農地は家族信託できるのか?

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 暑い日々が続いていますね。

 香川県は日本一のうちわの生産地だとご存じでしたか?今では、広告のツールであったり、祭りの宣伝であったり、さまざまなデザインを施し国境を越えたひそかなブームになっています。

 先日テレビを見ていると、うちわを研究している大学の教授がうちわについて熱く語っていました。

そこではアナウンサーがある質問をしていました。

「一番ベストな扇ぎ方は?」 

 私は、どうしてもそれが知りたくて前のめりになりました。

 すると、教授は、

「自分の好きなように扇いでください。」と言いました。

まぁ、そういうことですね。

 農地は家族信託できるのか?

さて、先日このような相談を受けました。 

 「私は高齢で足腰が弱り、満足に農地を耕作することができません。これらの田・畑を家族信託を利用して有効活用することはできるのでしょうか?」

 

 近年、少子高齢化に伴って耕作放棄地が増加しているようです。確かに私が住む香川でもやはり耕作していない農地が増えているように感じます。その為、上記のような相談が多数寄せられるようになったのですね。

 しかし、田・畑などの農地は農地法という法律で規制されているため、他の宅地や雑種地などと比べて自由に処分等を行うことができなくなっています。

 

田畑をそのまま田畑として(農地法第3条)利用する場合

 私は、農地を農地のまま利用することを目的として(農地法第3条)、家族信託を利用することは原則として出来ないと考えています。

 

 そもそも農地は所有者自身が耕作するか、他の農業従事者に貸して耕作することが基本です。その為、農業従事者でない子供などに財産管理を託すという信託の概念は沿わないです。

 よって、そのような考えからすると農業従事者である子供に信託する場合は可能である余地があると考えますが、当該農地のある農業委員会との打ち合わせが必要でしょう。

田畑をその他の地目に変更して(農地法第4、第5条)利用する場合

 農地を農地以外の利用目的で(農地法第4条、第5条)で信託したいという場合はどうでしょうか。

 このようなニーズは多くあるようです。

 将来的に農地を処分したい、しかし農地の所有者が高齢で、農地の処分前に認知症等で判断力が衰えてしまう可能性があるなどの理由で、信託を利用するケースがあります。

 これに関しては、条件付きではありますが可能ではないかと考えています。

 ただし、この場合、農地に関する部分について、農業委員会の許可等の手続きを経て効力が発生することとなる「条件付信託契約」という取り扱いになります。

(当然、効力が発生してない段階では、信託を原因とする受託者への所有権移転登記もできません。)

「条件付信託契約」をして将来の管理・処分がスムーズになるように備えるには次の2つの方法が一般的です。

① 農地オーナー自ら「農地転用」の許可等の手続き(農地法第4条)を行い、農地以外の現況にすることで農地法の規制から外す方法です。

 

② 市街化区域であれば、農業委員会への届け出だけで済むため、市街化区域に限り信託の委託者と受託者の双方からの申請で、「転用目的権利移転」(農地法5条)により受託者への所有権移転登記を行い、そこから受託者による開発や売却手続きを行う方法です。

 ただし、農業委員会の許可を取る際は、転用の目的を定めて許可を取る必要があります。よって、上記2つの方法による場合を利用しようとする場合でも、使途を定めずに農業委員会の許可を取ることはできない、ということに注意をする必要があります。

 

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