わかった!資産承継をオーダーメイドで実現する家族信託

家族信託を中心としての相続対策支援について誰でも分かるように解説します

「徹底比較!!家族民事信託と成年後見制度のコストパフォーマンス」

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 みなさんこんばんは、6月になって蒸し暑くなってきました。

我が家のシェルティも早くも陰を探して徘徊しています。

 休日にでもペットショップに行って毛を刈ってあげようかと思います。

 

 さて、家族民事信託は成年後見制度と様々な面で比較されるわけですが、その中でも皆さんが気になるのがやはり「ランニングコスト」だと思います。

 今回はその点について比較をしながら解説したいと思います。

 家族民事信託を利用する際のコストは?

 家族民事信託を組成する場合、開始に際して専門家へのコンサルティング報酬及び登記費用、公正証書作成費用がかかります。

 専門家(弁護士・司法書士等)へのコンサルティング報酬は基本的には自由ですので、依頼する専門家によって報酬はまちまちですが、一般社団法人家族信託普及協会では会員に対してコンサルティング報酬の基準を提示しています。

 これが1つの基準になるのではないでしょうか。 

  一般社団法人 家族信託普及協会

これらを簡易にまとめると下記のような費用明細になります。

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さらに詳細について気になる方は下記記事をご覧ください。

munehisa0721.hatenablog.jp

 費用目安を参考にすると家族民事信託を利用する際の初期費用は40万円~といったところでしょうか。最低でも40万円~というのは正直高いなぁ、と感じられた方もいると思います。

 しかし、ここで同様の制度である成年後見制度と比較してみましょう。

(なお、家族民事信託を組成した後の受託者への報酬は、信託内容によります。しかし、どのような内容であれ基本的に受託者は親族がなるケースがほとんどであるため、親族外の第三者に報酬を支払うケースは無いといっていいでしょう。)

(法定)成年後見制度のコストは?

 法定後見の場合、後見人が家庭裁判所に対して報酬付与審判の申立てを行うことによって、家庭裁判所が後見人の報酬を決定することになります。

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 この報酬の算出基準は示されていませんが、原則として1年間の後見人の業務内容や本人の年間収支状況、保有財産などを元にして決定されており、基本報酬が年間約24万円から72万円程度となっているようです。

 上記基本報酬とは別に、例えば不動産の売却、遺産分割協議を成立させるなど普段の業務とは違った特別な業務を行った場合は、加算して報酬が支払われることになっています。

 詳細については別記事がありますのでご一読ください。

munehisa0721.hatenablog.jp

 なお、この報酬は私たちのような資格者(司法書士・弁護士等)が後見人に就任した場合のみ認められるわけではなく、当然親族の方が後見人に就任した場合も付与されます。

 ただし、親族間で報酬を付与してもらうのは何か気が引ける、といって報酬付与を受けない方も多くいらっしゃいます。

 

 報酬を受け取らない親族後見の場合ランニングコストは掛かりませんが、ここで注意が必要です。親族が後見人に就任した場合、近年多くの場合に成年後見監督人が就任している案件が多く見受けられます。

 後見監督人とは後見人を監督する立場の者を言いますが、この場合でも報酬が年間12万円から36万円程度かかります。

まとめ

 ここまで家族民事信託の費用と成年後見制度の費用を比較してきたわけですが、よく陥りがちな落とし穴があります。それは、家族民事信託に係る初期費用は一度きりですが、成年後見人の場合は基本的にご本人が亡くなるまで続くということです。仮に、成年後見監督人の報酬が1年24万円(月額2万円)だったとしても、10年間ご本人がご健在の場合、トータル240万円必要となってきます。この様に、毎年かかるランニングコストを長期間積み重なればどんどん大きくなってしまいますね。

 

 次に、初期費用は家族民事信託の方が高くなりがちです。ただ、将来的に成年後見制度を利用しなければならなくなった場合、長い目で見ると、結局家族民事信託の方がコストパフォーマンスが良いというケースは多いので、制度の違いと長期間にかかるコストの違いを意識して、制度を選択することが非常に重要ということですね。

 

 この点から考えると、ご自身、ご家族の想いを実現することが出来、かつ長期的にみると比較的低コストで実現出来るというのであれば、近年家族民事信託を検討される方が増えているのも理解できますね。

 勿論、コストだけの観点から考えるのではなく、制度自体のメリット、デメリットを十分ご検討することや、ご自身の家庭は短期的、中長期で対策するのが望ましいか等、様々な観点から検討することが望ましいので、制度や一般的なコスト等の知識は当ブログの情報で付けた上で、いずれ組成する時期が来れば、専門的な知識を持った担当者への相談が望ましいでしょう。

 

以下、関連記事です。
 「コストの違いは分かったけど、成年後見制度と家族民事信託の制度の違いはどの様に違うの?」と思われた方はこちらの記事を合わせてご覧ください。

munehisa0721.hatenablog.jp

 

 「家族民事信託って税金はかかるの?」とご質問を受けることがあります。家族民事信託に関わる税金について解説した記事はこちら。

munehisa0721.hatenablog.jp

 

 相続の場合、一番最初に思いつくのは遺言書ではないでしょうか?ただ、どんな場合でも遺言書を残した方が良いという訳ではありません。なるべく避けるべき遺言の内容についてまとめた記事はこちら。

munehisa0721.hatenablog.jp