わかった!資産承継をオーダーメイドで実現する家族信託

家族信託を中心としての相続対策支援について誰でも分かるように解説します

「特別受益(とくべつじゅえき)の持ち戻し免除の意思表示推定」

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 みなさんこんにちは、5月になり随分と暖かくなってきましたね。

少し暑い日もあるくらいです。

 それに伴って花粉も随分飛んでいるようで、花粉症の僕にとってかなり辛い時期です。

 

 さて、ここ数回にわたって民法の改正についてを取り上げてきましたが、改正ポイントはまだ多くあります。

今日はそんな改正ポイントの中の、「遺産分割」についての見直し点を説明いたします。

「遺産分割」についての改正ポイントは2点あります。

特別受益(とくべつじゅえき)の持ち戻し免除の意思表示推定

遺産分割前における預貯金の仮払い制度

 今回は遺産分割に関する改正点のうち、特別受益(とくべつじゅえき)の持ち戻し免除の意思表示推定」という点について解説します。

 

 そもそも特別受益とはいったい何なんでしょうか。

以前記事を書いていますのでそちらを参照ください。

munehisa0721.hatenablog.jp

特別受益(とくべつじゅえき)の持ち戻し免除の意思表示推定」とは?

 改正民法では、婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対してその居住建物又はその敷地について遺贈又は贈与をした場合、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について「特別受益の持ち戻し」の規定を適用しない旨の意思表示をしたものと推定される。という規定が設けられました。

 

...一体どういうことなんでしょうか、なんだか意味が分かりませんよね。

 例を挙げて説明いたします。

 

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夫(84歳)が死亡して相続が発生しました。(夫婦の結婚生活は20年以上)

 相続人は妻(83歳)と子ども2人(長男・長女)で、相続財産は預金2000万円ですが、実は生前に夫が妻の今後の生活を案じて居住用の土地建物(評価額1000万円)を妻に生前贈与していたというケースを考えてみましょう。

 

 原則通り、妻への贈与が特別受益とされた場合、各相続人が相続する財産としては、妻500万円、長男750万円、長女750万円となります。

 このケースだと確かに妻は居住用の不動産は確保できるのですが、預金は相続することができませんね。

こうなると老後が心配ですよね。

このようなケースを想定して、民法が改正されました。

 

 つまり、結婚20年以上の夫婦の一方に居住用の不動産を贈与した場合は、特別受益によって持ち戻しを原則しないでいい、としたのです。

 

 これによって計算すると、不動産を相続財産として持ち戻さなくていいので、結局2000万円の預金を妻も相続することができるのでそれぞれの持分は妻1000万円、長男500万円、長女500万円となります。

 残された妻の老後について考えるとある意味こちらの方が理にかなっているかもしれませんね。

 

以下、関連記事です。

 今回ご紹介した記事の他にも、民法改正により「配偶者居住権」「配偶者短期居住権」が認められることになりました。詳しくはこちらの記事で解説しましたので、合せてお読みください。

munehisa0721.hatenablog.jp

 

 相続って、各家庭によって家族構成が違いますし、誰が相続人?どのような割合で相続するのか?非常に分かりづらいですよね。そんな、家族構成により変わる相続を図解を交えて解説しました。相続は分かりにくいなと感じてらっしゃる方は、こちらの記事を参考にご自身のご家族に照らし合わせてみてください。

munehisa0721.hatenablog.jp

 

 よく質問される「信託と成年後見制度って何が違うの?」について、成年後見制度について解説した記事はこちら。まずは、正しい知識を付けて、皆さんのご家庭にとって最適な方法を考えるきっかけとなれば幸いです。

munehisa0721.hatenablog.jp