みなさんこんにちは、ゴールデンウィークはどのようにお過ごしでしたか。
わたしはどこにも行かずに家族団らんをする毎日でした。
このような過ごし方も落ち着いていいものですね。
さて、先日ある依頼者から次のような相談を受けました。
相談者A(72歳)
「私(相談者A)が亡くなったあとは、妻Bの平穏な生活を確保し、妻Bが亡くなったあとは、子供Cに信託財産を承継させるという内容の家族民事信託を利用しているのですが、私(A)が亡くなった場合、家族民事信託は終了するのでしょうか、心配です。 」
相談者Aの不安はよく分かります。委託者(=財産を預ける人)が亡くなった場合に家族民事信託が終了するとなると妻Bの平穏な生活が確保されるのかどうか分からなくなってしまいます。
今回はそのような不安にお答えいたします。
委託者の死亡で家族民事信託は終了するの?
結論から申し上げますと、委託者(相談者A)が死亡しただけでは家族民事信託は終了しません。もちろん、家族民事信託の終了事由を「委託者(A)の死亡」と定めると終了することになりますのでその点は注意が必要です。
家族民事信託が委任契約や成年後見制度と決定的に違うのはこの点です。相談者Aが死亡しても信託した財産は相続財産とはならず、家族民事信託のスキームの中で運用することができます。
もちろん、家族民事信託のスキームの中に含めなかった財産(現預金、不動産、株式等)は、原則通り民法の相続の手続きによって相続人に承継されることになります。
家族民事信託と民法の相続の両方の制度をうまく利用しながら各家庭に合った財産の承継を実現しましょう。
以下、関連記事です。
各家庭によって家族構成が違い、誰が相続人となり、どのような割合で相続するのか分かり辛いですよね。相続の基礎を抑えて、まずはご自身のご家庭の状況と照らし合わせてみましょう。相続の基礎を解説した記事はこちら。
今まで遺言は自筆証書遺言でなければ、効果が認められていませんでした。ただ、今回の民法改正により、自筆証書遺言の規定が変わったことをご存知でしょうか?大幅に変更されましたので、変更点を分かりやすく解説した記事です。
質問で一番多いのは、「家族民事信託と成年後見制度って何が違うんですか?私はどちらを選んだ方が良いんでしょうか?」等です。その悩みを解決する為にも、まずは成年後見制度の仕組みを理解頂きたいので、こちらの記事をお読みください。