わかった!資産承継をオーダーメイドで実現する家族信託

家族信託を中心としての相続対策支援について誰でも分かるように解説します

家族信託は家族の承諾が必要?内緒で進めるとデメリットとなる場合もあるので注意!

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 つい先日、男性(45歳)から、

「家族(民事)信託の契約を父親(76歳)と結びたいと考えているのですが、他の兄妹に対して事前に承諾が必要なのでしょうか? 」

という相談を受けました。

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 確かに家族(民事)信託をスタートさせるにあたって、兄妹にその旨を知らせないまま話を進めることが問題とならないのか不安になりますよね。


 結論から申しますと、他の兄妹の事前の承諾は必要ありません。


ただし、私は他の兄妹に内密に家族(民事)信託契約を開始することはおすすめしていません。

家族(民事)信託契約の当事者はいったい誰なの?

 家族(民事)信託契約は委託者(=財産をたくす人)と受託者(=財産をあずかる人)が契約を行うことで成立します。

 それ以外の方の関与は必要ありません。

 したがって、信託契約に関係のない方の承諾は必要ありませんし、当然、契約書にサインや押印なども必要ありません。

 

 ただし、家族(民事)信託を利用する場合、家族全員で合意したうえで話を進めないと後々問題が起こる傾向が強いようです。


 なぜなら、信託は遺言と同様、最終的な財産の承継先を決めることができるからです。

 最終的な財産の承継先を決める効果があるにも関わらず、他の相続人の知らない間に家族(民事)信託契約を進めるということが良くないということは当然ですよね。

 反対に家族(民事)信託を利用する際に家族全員で信託の目的や内容を共有することができれば、財産の管理・活用・処分方針が一致し、将来の「争族」の予防にも繋がります。

 これらの事情から私は家族(民事)信託には家族全員が話し合い、納得した上で作成する方が家族(民事)信託の正しい取り扱い方だと考えており、実務でもそのような取り扱いをしています。

 家族(民事)信託は、委託者(=財産をわたす人)と受託者(=財産をあずかる人)で契約を結ぶことができるわけですが、家族全員のための制度だということですね。

 家族(民事)信託はご家族の皆さんで話し合い、納得、同意を得ながら進めていく、円満解決策に導く制度です。

 今までの相続と違い、皆さんの想いを反映することが出来る素晴らしい制度ですので、是非活用してみてくださいね。

 

  以下、関連記事です。

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