配偶者の居住の権利とは(民法改正のテーマについて)
みなさんこんばんは、もう3月になりました。
桜のの開花予報も出たようで、春ももうすぐです。
さて、最近テレビや新聞などでよく見かけるようになった民法改正というフレーズですが、何がどのように改正されるのでしょうか。
ここでは「配偶者の居住の権利」という改正ポイントを解説いたします。
配偶者の居住の権利の重要性
例えば、次のようなケースを見てみましょう。
亡父の相続が発生して、遺産分割協議を妻と長男で行う必要ができました。
相続財産は亡父が妻と暮らしていた自宅です。
このような場合、わたしはよく依頼者から聞かれることがあります、それは
「2人(妻、長男)のうちどちらが相続したらいいのでしょうか。」
という質問です。
このような場合これまではどちらが相続した方がいいのかメリット・デメリットを依頼者にお伝えしたうえで依頼者に判断してもらっていました。
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そこで、今回、民法が改正されて「配偶者居住権」「配偶者短期居住権」が認められることになりました。
これはどのような権利なのかというと、ある一定の要件を備えることで、
仮に居住建物の所有権を長男が相続した場合でも、原則として終身の間、配偶者はそれまで居住していた建物に無償で住み続けることができるというものです。(配偶者居住権)
また、配偶者居住権を主張することができる要件を備えなくても、一定の間、居住していた建物に無償で住み続けることができる権利も創設されました。(配偶者短期居住権)
このような権利が認められることになると、配偶者の相続人は建物自体の所有権は取得しませんので、遺産分割で他の財産(預金・有価証券等)を相続しやすくなりますから、配偶者を保護することができるようになりますね。
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