わかった!資産承継をオーダーメイドで実現する家族信託

家族信託を中心としての相続対策支援について誰でも分かるように解説します

委託者の地位が相続で承継した場合、あなたの想いは実現されるの?

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 みなさんこんばんは、もう2月が終わりそうですね。早いものであまり全然実感がありません。

気が早いようですが、私は次の年号は何になるのが既に気になっています。

 いずれにせよどんな時代になっても素敵な未来を見据えて頑張らなければならないということですね。

 

 さて、先日ある依頼者から次のような相談を受けました。

相談者A(82歳)
 「私(相談者A)は17歳になる孫(B)に財産を承継させるという内容の家族(民事)信託を利用しているのですが、私(相談者A)が亡くなった場合、委託者としての地位は引き継がれるのですか。仮に、引き継がれるということであれば何か不都合なことはありませんか。 」

 

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 もし、委託者の地位が相続によって引き継がれるようであれば、相談者Aは確かに心配かもしれません。

 なぜなら、仮に委託者(A)が死亡したのちその地位が相続人である長男(C)に承継されるようなことがあれば、財産を孫(B)に承継させたいという委託者(A)の想いが実現できない可能性があるからです。

 

と言うのも、委託者には家族民事信託を解消させることができる権限があります仮に委託者としての地位を相続人長男(C)が承継した場合、長男(C)は民事信託契約を解消させる可能性があります。


むしろ、本来自分が相続するはずであった財産が、家族民事信託契約によって孫(B)が取得することになるわけですから、長男(C)が民事信託契約を解消させる可能性は高いといえます。


委託者が死亡した場合、その地位は相続人に相続されるの?

結論から申しますと、「委託者としての地位」は相続されます。

 

つまり、委託者Aが死亡した場合、相続人が委託者となってしまいます。

 

そうなると委託者Aの想いを乗せた家族民事信託は実現できない可能性があるということです。

 

このような場合に備えて、家族民事信託の条項に次のような文言を加えることで問題を解決することができます。

 

「委託者Aの死亡によってその権利は承継されることなく、消滅することとする。」

 

 ちなみに上記の条項が必要なのは家族民事信託を契約によって構築した場合に必要で、遺言により信託した場合は条項が無くても委託者としての地位は承継されません。(信託法147条)

 

なぜなら、遺言信託の場合、信託の効力は委託者が亡くなった時に生じることになります。

 

 信託による財産承継をしたいので遺言をしたにも関わらず、委託者が死亡した際に相続人がその信託を解消してしまうことができるのであれば信託をした意味がありません。


 よって、契約により信託を組成した場合と、遺言により信託をした場合とでは委託者の地位が相続されるかどうかに違いがありますので注意が必要です。

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