わかった!資産承継をオーダーメイドで実現する家族信託

家族信託を中心としての相続対策支援について誰でも分かるように解説します

すぐわかる!「脱法信託」と「訴訟信託」の禁止とは?

にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ にほんブログ村 介護ブログへ にほんブログ村 士業ブログへ にほんブログ村 士業ブログ 司法書士へ
☝応援よろしくお願いします

 

f:id:munehisa0721:20180815191135j:plain

 みなさんこんばんは、お盆休みはいかがお過ごしでしょうか。

 

 わたしは、先日行った山の測量で虫なのか植物なのかわかりませんが、なにかのばいきんを貰ったようで、つらい日々を過ごしています。苦笑

 

早く良くなるといいんですが。。。

 

 

 さて、これまで家族民事信託に携わっている中で、他士業の方から受けた相談がありますのでそれを紹介いたします。

 

 「家族民事信託で、脱法信託・訴訟信託は禁止されている。とよく聞きますが、どういったことなんでしょうか? 」

 

 というご相談でした。

 

 信託は過去、脱法目的で利用されてきたという歴史があります。さまざまな法律の規制を免れるために信託が使われてきたため、信託法ではいくつかの禁止規定が設けられています。

 

 今日は、「脱法信託」と「訴訟信託」の禁止について記載することとします。

 

 

「脱法目的の信託」とは?

 

 信託法9条に次のように規定されています。

 

 「法令によりある財産権を享受することができない者は、その権利を有するのと同一の利益を受益者として享受することができない。」(脱法信託の禁止)

 

 専門的な言葉が並んで、なんだか分かりづらいですよね。

 

 

簡単な例を出して説明します。

 

例えば、外国の方が日本の船舶を所有することは法律で禁止されています。

 

 この法律の規制を逃れるため、外国人が受益者となって実質船舶を所有する権利を享受するということをすることは信託法9条により禁止されるのです。

 

f:id:munehisa0721:20180815191243p:plain

 

 

「訴訟目的の信託」とは?

 

 信託法10条に次のように規定されています。

 

 「信託は、訴訟行為をさせることを主たる目的としてすることができない。」(訴訟信託の禁止)

 

 弁護士法の規定によって、他人の権利を譲り受けて実行することを業として行うことや、弁護士でない者が訴訟等の法律事務を行うことは禁止されています。

 

上記の規制を免れることを目的で信託を設定することはできません。

 

 このような信託が設定された場合、法律上無権利者が提起した訴訟ということで、請求棄却となります。

 

 以上のようなことから、信託の組成に関わる専門家は、これらの脱法行為には加担することなく、もしそのような依頼があった場合、断固として断ることが必要になりますね。

 

以下、関連記事です。

 今回の記事で紹介した脱法信託、訴訟信託は稀な件ですが、自宅を相続することはどなたにでも起こり得ることですよね。こちらの記事では、自宅を相続する場合の予め知っておきたいメリット、デメリットについて解説しました。

munehisa0721.hatenablog.jp

 

 相続と言えば、遺言書が対策として1番に思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか?今回は、ご要望が多かった相続時に遺言書を作成しておいた方が良い事例をまとめて解説しました。

munehisa0721.hatenablog.jp

 

 相続相談にお越しになられた方の中で、ご本人が希望する相続内容をお聞きすると二次相続に該当する場合は多いです。相続時によく活用される遺言書で二次相続は可能なのか解説した記事はこちら。

munehisa0721.hatenablog.jp